1...c5が狙うもの
1.e4 c5の後のシシリアン・ディフェンス。シシリアン・ディフェンスは1.e4 c5で始まります。黒は白のセンターポーンをまねしません。cポーンが横からd4を見ているので、白がd4と突くと、黒は翼のポーンをセンターのポーンと交換できます。オープン・シシリアン、つまり2.Nf3と3.d4 cxd4 4.Nxd4の後、黒はセンターポーン2つ対1つと半分開いたcファイルを得て、白はより速い展開と広いスペースを得ます。アンチ・シシリアンと呼ばれる白のそれ以外の2手目の多くは、この交換を避ける方法です。
レーティング1200から1800のプレイヤーによるLichessの対局では、1...c5は1.e4に対する黒の2番目に多い応手で、5局に1局弱です。最も多いのは45%の1...e5です。結果は互角で、白が48%、黒が48%勝っています。白は半分を少し超える対局で2.Nf3を指し、続く黒の2手目でどのシステムに進めるかが決まります。そのうち2...Nc6が半分弱、2...d6が10局に3局ほど、2...e6が7局に1局ほどです。
チェスメイトにはシシリアンのコースが22あり、11のシステムそれぞれに白と黒のコースが1つずつあります。8つは2.Nf3と3.d4の後のオープン・シシリアンです。残りの3つはアンチ・シシリアンの2.c3、2.Nc3、そしてスミス・モラ・ギャンビット2.d4 cxd4 3.c3です。
シシリアンを選ぶとき、そしてその代償
黒番のシシリアンは、バランスの崩れた対局を望み、複数のシステムを覚える覚悟のあるプレイヤーに向いています。代償は、どのシシリアンになるかを白が決めることです。2.Nf3の後でも、このレベルで白が3.d4でセンターを開くのは半分未満で、3.Bc4が5局に1局ほどあります。その前の段階では、2.Bc4が12%で白の2番目に多い手であり、2.f4も20局に1局ほど指されます。チェスメイトのコースはこうしたビショップやfポーンのセットアップを扱っておらず、2...Nc6の後の8局に1局ほどに現れるロッソリーモ2...Nc6 3.Bb5や、2...d6 3.Bb5+も扱っていません。2.Bc4の後は黒が51%勝っているので普通の展開でたいてい持ちこたえられますが、これらの局面はここでは練習しません。
実戦的な黒のレパートリーは、自分の2手目に合うオープン・シシリアンのコース1つに、実際に出会う手に合わせたアンチ・シシリアンのコースを加えたものです。2手目が選択肢を絞ります。2...d6はナイドルフ、ドラゴン、クラシカルへ、2...Nc6はスヴェシニコフかアクセラレーテッド・ドラゴンへ、2...e6はタイマノフ、カン、シェベニンゲンへ進みます。
白番でオープン・シシリアンを指すには黒のセットアップごとに別々の答えが必要で、チェスメイトの白用オープン・シシリアンのコースは範囲が狭くなっています。ほとんどは、黒の1つのセットアップに対して白の1つのシステムをたどります。アンチ・シシリアンのコースは1コースあたりの範囲が広く、白用アラピンのコースは黒の異なる2手目7つを扱い、スミス・モラのコースは3手目から主導権を狙います。白は2.c3の後に50%、スミス・モラを受諾した3...dxc3 4.Nxc3の後に52%勝っています。
2...d6の後の黒:ナイドルフ、ドラゴン、クラシカル
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6の後のナイドルフ。a6のポーンは白の駒をb5に来させず、...b5か...e5を準備します。2...d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3の後は、黒の5手目がシステムを決めます。このレベルでは、ナイドルフの5...a6が5局に3局ほど、ドラゴンの5...g6が4分の1弱、クラシカルの5...Nc6が14局に1局ほどです。どのコースも白の6手目を軸に組み立てられています。
シシリアン・ナイドルフのコースは6.Be2に6...e5と応じてd4のナイトを押し戻し、6.Be3に対しては6...e5と6...Ng4の両方を扱います。サンプルライン6.Be2 e5 7.Nb3 Be7 8.O-O O-O 9.Be3 Be6 10.Qd2 Nbd7がセットアップを示しています。ビショップはe7とe6、ナイトはd7に置き、後で...b5か...d5を指します。4分の1近くを占める白の最も多い6手目6.Bg5に対しては、コースは6...e6に切り替えます。
多くのナイドルフ・プレイヤーがつまずくのが、まさにこの切り替えです。6局に1局ほどは6.Bg5にそのまま6...e5と指しますが、7.Bxf6 Qxf6 8.Nd5の後はクイーンが攻撃され、d5のナイトに挑める黒のポーンはもう出てきません。7...Qxf6の後は白が56%勝っています。6...e6の後、コースは対局の3分の1ほどで指される白の最も多い7手目7.f4をたどり、7...Be7とポイズンド・ポーン7...Qb6 8.Qd2 Qxb2の両方を扱います。コースが扱わない7.Bd3、7.Bc4、7.Be2に対しては、黒が53%以上勝っています。9局に1局ほどの6.Bd3と、15局に1局ほどの6.f3も扱っていません。
シシリアン・ドラゴンのコースはビショップをg7に置き、d4とクイーンサイドを狙います。ラインの大半はユーゴスラヴ・アタック6.Be3 Bg7 7.f3 O-O 8.Qd2 Nc6で、白はたいていクイーンサイドにキャスリングしてhファイルから攻撃します。9.O-O-Oに対して、サンプルラインはまず9...d5でセンターを突き、10.exd5 Nxd5 11.Nxc6 bxc6 12.Bd4 e5の後は黒のポーンがセンターを支えます。9.Bc4に対しては9...Bd7 10.O-O-O Rc8 11.Bb3 Ne5と指します。白が12.h4と突くと、一方のラインは12...h5でポーンを止め、もう一方は12...Nc4 13.Bxc4 Rxc4と指します。このラインでは、ルークが後でc3で自らを犠牲にし、白キングの前のポーンを崩します。コースは6.Be2と6.f4も扱います。白の2番目と3番目に多い6手目6.Bg5と6.Bc4は合わせて10局に3局ほどですが、このコースにはありません。
シシリアン・クラシカルのコースはナイトを先にc6へ展開します。主な戦いは、白がクイーンサイドにキャスリングするリヒター・ラウザー6.Bg5 e6 7.Qd2 a6 8.O-O-Oです。サンプルラインでは11.Bxf6 gxf6で黒のfポーンがダブルになりますが、黒はビショップ2つを得て、黒キングも13...O-O-Oでクイーンサイドへ向かいます。6.Be3に対してコースはビショップを攻撃する6...Ng4を指し、この手の後は黒が59%勝っています。白の6手目の4分の1以上を占める6.Bb5と6.Nxc6は扱っていません。
2...Nc6の後の黒:スヴェシニコフとアクセラレーテッド・ドラゴン
1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 e5の後のスヴェシニコフ。黒はすぐにd4のナイトを追い、d5の穴を受け入れます。2...Nc6 3.d4 cxd4 4.Nxd4の後、このレベルで黒の最も多い手は4局に1局ほどの4...e5で、これを扱うチェスメイトのコースはありません。2つのコースはその次の選択肢から始まります。5局に1局ほどのアクセラレーテッド・ドラゴン4...g6と、スヴェシニコフ4...Nf6 5.Nc3 e5です。
シシリアン・スヴェシニコフのコースは、時間を得る代わりに遅れたdポーンとd5の穴を受け入れます。6.Ndb5 d6 7.Bg5 a6 8.Na3 b5の後、a3の白ナイトはセンターから遠く離れ、サンプルライン9.Nd5 Be7 10.Bxf6 Bxf6 11.c3 O-Oでは黒がキャスリングし、後で17...f5で突破します。コースは9.Bxf6 gxf6 10.Nd5も扱い、黒は10...f5か10...Bg7で応じます。このラインには早めに取り組みましょう。9.Bxf6の後は白が55%勝つのに対し、9.Nd5の後は47%です。このレベルではスヴェシニコフは全体的に難しく、6.Ndb5 d6の後は白が52%勝っています。コースは7.Nd5も扱い、合わせて5局に3局ほどになる6.Ndb5以外の6手目6.Nxc6、6.Nb3、6.Nf3、6.Nf5も扱います。
シシリアン・アクセラレーテッド・ドラゴンのコースは4...g6と指し、dポーンを動かさずに残して...d5を1手で指せるようにします。5.Nc3 Bg7 6.Be3 Nf6 7.Bc4 O-O 8.Bb3に対しては8...d5 9.exd5 Na5と指します。ポーンを1つ渡してb3のビショップを消し、ビショップ2つを保つ手です。マローツィ・バインド5.c4では、c4とe4の白ポーンのせいで...d5がとても指しにくいため、5...d6 6.Nc3 Nf6 7.Be2の後は7...Nxd4 8.Qxd4でナイトを交換し、...Be6、...Qa5、...Rfc8でクイーンサイドで戦います。5.c4の後は白が51%勝っています。ただし白が7.Be3と展開すると、7...Ng4がd4を守るビショップを攻撃し、8.Qxg4はc8のビショップにクイーンを取られます。7...Ng4の後は黒が64%勝っています。8局に1局ほどの5.Be3は扱っていません。
2...e6の後の黒:タイマノフ、カン、シェベニンゲン
1.e4 c5 2.Nf3 e6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nc6 5.Nc3 Qc7の後のタイマノフ。黒はキング側のナイトの行き先を決める前に、クイーンでe5とcファイルを押さえます。2...e6 3.d4 cxd4 4.Nxd4の後、黒の主な選択肢は3局に1局ほどの4...Nc6、10局に3局ほどの4...a6、6局に1局ほどの4...Nf6です。3つのコースは、主に黒のナイトがどこへ、いつ行くかで分かれます。
シシリアン・タイマノフのコースは5.Nc3 Qc7と指します。このレベルでは13局に1局ほどの珍しい選択ですが、この手の後は黒が52%勝っています。5局に2局を占める白の最も多い応手6.Be3に対しては、6...a6の後の7.Qd2と7.Qf3の両方を扱います。サンプルラインの6.Be2に加えて6.g3、6.f4、6.g4、6.Ndb5、そして白の5手目の別の手5.Nb5、5.c4、5.Nxc6も扱います。5手目で避けたいのは5...Nxd4です。白はセンターでクイーンで取り返し、この手の後は56%勝っています。コースがd4で交換するのは、白がf4、g3、g4に1手使った後だけです。
シシリアン・カンのコースは4...a6と指し、両方のナイトを動かさずにb5を押さえます。4...a6の後は黒が52%勝っており、コースは白の最も多い3つの応手5.Nc3、5.c4、5.Bd3を扱います。サンプルラインでは5.Bd3 Bc5 6.Nb3 Ba7で、ビショップがf2を狙い続けます。ここで白が7.Qg4 Nf6 8.Qxg7 Rg8 9.Qh6とg7のポーンを取ると、9...Bxf2+ 10.Kxf2 Ng4+がキングとクイーンをフォークします。
シシリアン・シェベニンゲンのコースは4...Nf6 5.Nc3 d6と指し、d6とe6のポーンで小さなセンターを作ります。サンプルラインはケレス・アタック6.g4に6...h6 7.h4 Nc6 8.Rg1 d5と応じ、白のポーンがキングサイドを進む間にセンターを突きます。このレベルでは6.g4の後に白が59%勝っていますが、この手は40局に1局ほどしか現れません。コースは6.Be2、6.Be3、6.Bc4、6.f4、6.g3、6.Bb5+も扱います。4分の1を超える白の最も多い6手目6.Bg5は扱っていません。
オープン・シシリアンの白
白番でオープン・シシリアンを指すには黒のセットアップごとに答えが必要で、白のコースはそれぞれ1つのセットアップに対して1つのプランをたどります。よく出会うセットアップから始めましょう。2...d6の後なら、ナイドルフとドラゴンです。
白用シシリアン・ナイドルフのコースは最も範囲が広く、6.Be2、6.Bg5、6.Be3、6.Bc4の後のラインを収めています。6.Bg5 e6 7.f4に対しては、ポイズンド・ポーンとポルガエフスキー7...b5 8.e5を練習します。黒が6.Bg5に6...e5と応じた場合、7.Bxf6 Qxf6 8.Nd5 Qd8 9.Nf5 Bxf5 10.exf5の後はd5の白ナイトに挑める黒のポーンがありません。6.Be3では、イングリッシュ・アタック6...e6 7.f3 b5と6...e5 7.Nb3 Be6 8.f3を扱います。
白用シシリアン・ドラゴンのコースは9.O-O-O、9.Bc4、9.g4のユーゴスラヴ・アタックと6.Be2を指します。3本の短いラインで、後で説明するドラゴンのトラップ6.Be3 Ng4 7.Bb5+と6.f4 Bg7 7.e5を練習します。
白用シシリアン・アクセラレーテッド・ドラゴンのコースはマローツィ・バインド5.c4と、5.Nc3 Bg7 6.Be3 Nf6 7.Bc4 O-O 8.Bb3を扱います。後者では白がキャスリングする前にビショップが先に引き、この手順でトラップの節のフォークの手筋を避けます。7.f3に黒が7...Qb6と指すと、8.Nf5 Qxb2 9.Nxg7+がチェックでg7のビショップを取ります。
残りの白のコースはもっと範囲が狭くなっています。白用シシリアン・クラシカルのコースは黒の4つの応手に対してリヒター・ラウザー6.Bg5だけを指します。白用シシリアン・スヴェシニコフのコースは6.Ndb5だけを指し、9.Nd5と9.Bxf6の両方を扱います。白用シシリアン・カンのコースは黒の異なる5手目9つに対して5.Bd3を指し、その中には6.exf5 exf5 7.Bxf5でポーンを得る5...f5も含まれます。白用シシリアン・タイマノフのコースは黒の異なる7手目10個に対して6.Be3 a6 7.Qf3を指しますが、5...Qc7の後だけです。白用シシリアン・シェベニンゲンのコースはケレス・アタック6.g4だけを指します。
よくある黒のセットアップの中には、白のコースがないものもあります。2...Nc6の後の黒の最も多い4手目4...e5、タイマノフでより多い5手目5...a6、5...Nf6、5...Bb4、そしてピン・バリエーション4...Nf6 5.Nc3 Bb4です。
アンチ・シシリアン:アラピン、スミス・モラ、クローズド
1.e4 c5 2.c3 d5 3.exd5 Qxd5 4.d4 cxd4 5.cxd4 Nc6の後のアラピン。クイーンはd5で活発に働き、d4が持ちこたえるかは白の次の手しだいです。アラピン2.c3は、白がポーンで取り返せるようにd4を準備します。白用シシリアン・アラピンのコースは、2...d5や2...Nf6から2...e5まで、黒の異なる2手目7つを扱います。黒用シシリアン・アラピンのコースは主に2...d5と2...Nf6を使い、2...e6、2...e5、2...Nc6はラインを1本ずつ扱います。
2...d5 3.exd5 Qxd5 4.d4の後、黒のサンプルラインは4...cxd4 5.cxd4 Nc6とすぐに交換します。ここで6.Nc3はクイーンを攻撃しますが、d4を守るのが白のクイーンだけになり、6...Qxd4 7.Qxd4 Nxd4でポーンを得ます。6.Nc3の後は黒が半分勝っています。より良い6.Nf3に対しては、黒の最も多い6手目6...Bg4がこのレベルで黒35%と最も成績が悪く、コースは代わりに42%の6...e5を指します。コースは緊張を保つ4...Nf6も扱い、こちらのほうが成績は上です。この手の後は黒が48%勝ち、4...cxd4の後は41%です。
スミス・モラ・ギャンビット2.d4 cxd4 3.c3は速い展開のためにポーンを1つ差し出し、黒は10局に7局ほど3...dxc3で受諾します。白用スミス・モラ・ギャンビットのコースは5...d6、5...e6、5...g6に対してBc4、O-O、Qe2、Rd1で展開し、ギャンビットを断る3...Nf6、3...d5、3...d3も扱います。黒番では、最初の2つの断り方がアラピンの構造につながります。3...d5 4.exd5 Qxd5 5.cxd4 Nc6 6.Nf3 e5はアラピンのサンプルラインと同じ局面なので、黒用アラピンのコースでこれらにも備えられます。黒用スミス・モラ・ギャンビットのコースはポーンを受け取り、...Nf6より先に4...Nc6 5.Nf3 d6 6.Bc4 a6と指します。その理由はトラップの節で説明します。
クローズド・シシリアン2.Nc3はdポーンを動かさず、たいていg3、Bg2、d3、f4で陣形を組みます。この手の後は白と黒がそれぞれ48%勝っています。白用クローズド・シシリアンのコースは主に2...Nc6 3.g3 g6 4.Bg2 Bg7 5.d3 d6の後の6.f4、6.Nge2、6.Be3をたどり、グランプリ・アタック2...d6 3.f4と3.Nf3 e5 4.Bc4を加えます。黒用クローズド・シシリアンのコースは同じ3.g3の構造を黒の側から扱い、クイーンサイドの...Rb8と...b5、d4のナイトで戦います。このコースが扱うのは、2...Nc6の後の白の3手目の10局に1局ほどである3.g3だけです。より多い3.Nf3、3.f4、3.Bc4、3.Bb5はどれも扱っていません。
トラップとよくあるミス
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 g6 6.Be3 Ng4 7.Bb5+の後のドラゴン。a6のポーンもc6のナイトもないので、このチェックを防げません。最も有名なドラゴンのトラップは、クラシカルのアイデアを借りることから生まれます。クラシカルで6.Be3 Ng4が成り立つのは、c6のナイトがa4-e8の斜線をふさぎ、7.Bb5がチェックにならないからです。ナイドルフでは7.Bb5+は7...axb5でビショップを失うだけです。ドラゴンにはこのどちらの守りもありません。6.Be3 Ng4 7.Bb5+ Bd7 8.Qxg4の後、d7のビショップはキングにピンされているのでg4で取り返せず、7...Nc6 8.Nxc6 bxc6 9.Bxc6+の後はビショップがキングとルークをフォークします。7.Bb5+の後は白が83%勝っており、白用ドラゴンのコースは両方のラインを練習します。
同じピンがレーベンフィッシュ6.f4の勝負も決めます。自然な6...Bg7は7.e5を許し、7...dxe5 8.fxe5 Ng4 9.Bb5+ Bd7 10.Qxg4の後、白は同じやり方でナイトを得ます。7.e5の後は白が68%勝っています。ドラゴンのコースは6.f4に6...Nbd7と応じ、白が突く前にe5を押さえます。この手の後は黒が53%勝っています。
スミス・モラでの黒の自然な手順は6...Nf6ですが、7.e5がそれをとがめます。7...Nxe5 8.Nxe5 dxe5 9.Bxf7+ Kxf7 10.Qxd8でクイーンを取られ、7...Nxe5の後は白が89%勝っています。もう一方の取り方7...dxe5 8.Qxd8+ Nxd8 9.Nb5は、キングとルークをフォークするNc7+を狙い、9.Nb5の後も白が82%勝っています。だから黒用スミス・モラのコースは先に6...a6を指します。b5を押さえておけば、8.e5 dxe5の後に白にはナイトの跳び込みがなく、8...dxe5の後は黒が55%勝っています。
スミス・モラには黒が仕掛けるトラップもあります。シベリアン・トラップです。5...e6 6.Bc4 Qc7 7.O-O Nf6 8.Qe2 Ng4の後、自然な9.h3は9...Nd4にぶつかり、10.Nxd4と取ると10...Qh2#になります。9.h3の後は黒が89%勝っています。白用スミス・モラのコースは8...Ng4に対し、h3より先にクイーンを攻撃する9.Nb5で応じますが、シベリアンはそれでも黒の成績が良く、9.Nb5の後は黒が55%勝っています。
アクセラレーテッド・ドラゴンでは、早すぎるキャスリングで白がe4のポーンを失います。5.Nc3 Bg7 6.Be3 Nf6 7.Bc4 O-O 8.O-Oの後、黒は8...Nxe4 9.Nxe4 d5と指し、ポーンがc4のビショップとe4のナイトをフォークして、黒は駒を取り返します。8...Nxe4の後は黒が56%勝っています。白用アクセラレーテッド・ドラゴンのコースは先に8.Bb3を指し、この手の後は白が54%勝っています。
まず何を練習するか
黒番なら、2手目が選択肢を絞ります。2...d6を指すなら、ナイドルフのコースのサンプルラインから始め、続いて6.Bg5 e6 7.f4のラインを覚えましょう。6.Bg5が白の最も多い6手目だからです。キングサイドのフィアンケットが決まった構造を好むなら代わりにドラゴンのコースを選び、6.f4 Nbd7を早めに覚えましょう。2...e6なら、カンのコースが白の主な5手目3つを扱い、このレベルで黒の成績も良好です。2...Nc6なら、最も多い4手目の4...e5にはコースがないことを覚えておいてください。ドラゴンのビショップが好きならアクセラレーテッド・ドラゴンのコースが、活発な駒のためにd5の弱点を受け入れられるならスヴェシニコフのコースが合っています。
次に、実際に出会うアンチ・シシリアンを加えましょう。黒用アラピンのコースは最初の選択として適しています。スミス・モラを断る3...d5と3...Nf6にも備えられるからです。対局にギャンビットが現れ始めたら黒用スミス・モラのコースを加え、何よりも先に6...a6を覚えましょう。黒用クローズド・シシリアンのコースは3.g3しか扱わないので、後から加えるもので構いません。
白番なら、アンチ・シシリアンが1コースあたり最も広い範囲を扱います。白用アラピンのコースでは、このレベルの黒の最も多い応手は2...Nc6と2...d6で、コースにはそれぞれラインが1本ずつあるので、より深い2...d5のラインより先に覚えましょう。ポーンと引き換えに主導権を取るのが好きなら白用スミス・モラのコースを、キングサイドでゆっくり陣形を組むほうが好きなら白用クローズド・シシリアンのコースを選びましょう。オープン・シシリアンなら、2...d6の後の黒の2つの主な応手を扱う白用ナイドルフのコースと白用ドラゴンのコースから始め、短いドラゴンのトラップのラインは駒得につながるので早めに覚えておきましょう。