カロ・カンの構造と...c6が準備するもの
1.e4 c6 2.d4 d5の後のカロ・カン。カロ・カン・ディフェンスは1.e4 c6で始まります。c6のポーンは...d5を準備するので、黒はすでに支えられたポーンでe4に挑めます。白がd5で交換すれば、黒はポーンで取り返し、センターの持ち分を保ちます。
フレンチ・ディフェンスと比べると、カロ・カンの特徴がよく分かります。どちらも1.e4に対して...d5を準備します。フレンチは先に...e6を指し、c8のビショップを自分のポーンの後ろに閉じ込めます。カロ・カンはビショップの斜線を開けたままにするので、黒は...e6の前にビショップを展開できます。代わりに失うのは手数です。黒が後で...c5を指すと、cポーンはそこへ行くのに二手を使ったことになります。
Lichessの対局では、白は1...c6に対して5局に2局ほど2.d4、10局に3局ほど2.Nf3で応じます。2.d4 d5の後は、アドバンス・バリエーションの3.e5が半数近く、3.exd5が4分の1以上、3.Nc3が5局に1局ほど現れます。
チェスメイトはこのオープニングを両側から練習します。黒のコースはアドバンスに3...c5、メインラインに4...Nf6で応じ、エクスチェンジ・バリエーション、パノフ・アタック、いくつかのサイドラインも扱います。白のコースはアドバンスを選び、よく指される3...Bf5にはタル・バリエーションの4.h4で対抗します。
カロ・カン・ディフェンスを選ぶとき
黒番のカロ・カンは、1.e4に対して健全なポーン構造を求め、その代わりに白へある程度のスペースを譲れるプレイヤーに向いています。黒の局面は序盤の弱点が少ない一方で、忍耐が必要です。最初の十数手は、たいてい白の駒のほうが活発だからです。黒番でアンバランスな局面と早い勝機を求めるなら、カロ・カンは遅く感じるでしょう。
チェスメイトのコースは、主要な分岐でより積極的な手を選びます。アドバンスでは、ビショップを先に出す代わりにすぐ3...c5でd4を突きます。メインラインでは4...Nf6 5.Nxf6+ exf6でfポーンのダブルを受け入れ、その見返りに素早い展開と開いたeファイルを得ます。活発な駒のために構造上の譲歩を受け入れられるなら、これらの変化を選びましょう。
白のコースは3.e5でスペースを取り、hポーンでf5のビショップを攻撃します。キングサイドのポーンを早く突き、ビショップを追って手数を稼ぐ代わりに自陣のキングの周りが少し緩くなることを受け入れられるプレイヤーに向いています。
3...c5で応じるアドバンス・バリエーション
3.e5 c5で応じます。3.e5の後、黒の大半は3...Bf5でビショップを展開し、Lichessでは3局に2局ほどです。黒のコースは代わりに3...c5を指します。4局に1局ほど現れ、黒の成績はわずかに良好です。このポーンは白がc3とNf3でd4を支える前にd4を攻撃し、c8のビショップは後でg4に出られます。
落ち着いたメインライン4.Nf3 Bg4 5.c3 e6 6.Be2 Nc6 7.O-O cxd4 8.cxd4 Nge7 9.Nc3 Nf5では、黒はすべての駒をd4に向けます。c6とf5のナイトがともにd4を攻撃し、g4のビショップはd4を守るf3のナイトと交換できます。
コースは白がポーンを取る4.dxc5を二通りで扱います。4...e6 5.c4 Bxc5 6.cxd5 exd5の後、黒は孤立したdポーンを持ちますが、展開は速くなります。5.Be3には5...Nd7 6.Bb5 Qa5+と指し、b5のビショップがd7で交換した後、9...Bxc5でポーンを取り返します。
Lichessの対局で白が最もよく指すのは4.c3で、半数を超えますが、コースには含まれていません。黒のよくある応手をたどると合流します。4...Nc6 5.Nf3 Bg4 6.Be2 e6 7.O-O cxd4 8.cxd4 Nge7の後の局面は、コースの落ち着いたメインラインとまったく同じです。そこで6.Be2は白の6手目として最も多く、5局に2局ほど選ばれています。
4...Nf6のメインライン
3.Nc3 dxe4 4.Nxe4 Nf6 5.Nxf6+ exf6の後のタルタコワーの構造。3.Nc3 dxe4 4.Nxe4の後は、クラシカルの4...Bf5が最も多い手で、黒のコースはすぐにナイト交換を申し出る4...Nf6を選びます。白の大半は5.Nxf6+で交換に応じ、コースはタルタコワー・バリエーションの5...exf6で取り返します。3.Nd2も4.Nxe4 Nf6 5.Nxf6+ exf6の後に同じ局面になります。黒のキングサイドのポーンはダブルになり、白はクイーンサイドで健全な4対3の多数派を持ちます。その代わり、黒の駒は素早く出て、eファイルがルークに開き、f6のポーンは白の駒をe5とg5から締め出します。
サンプルライン6.c3 Bd6 7.Bd3 O-O 8.Qc2 Re8+ 9.Ne2 h5がその計画を示します。白のクイーンとビショップがh7を狙うので、黒のナイトは11...Nd7と12...Nf8を経てh7を守るマスへ向かいます。hポーンはh4まで進んでスペースを取り、白のナイトをg3から締め出します。コースは白が10.O-Oでキングサイドにキャスリングしても、11.O-O-Oでクイーンサイドにキャスリングしても、同じ再配置を示します。
Lichessの対局で白の6手目として最も多いのは、約半数の6.Nf3で、コースには含まれていません。黒のよくある応手6...Bd6に続いてキャスリングと...Re8を指せば、同じ形になります。コースが3.Nd2経由で扱う6.Bc4の後は、白が7.Qe2+でチェックしてクイーンを交換します。クイーンがなくなれば黒キングはe7で安全で、9...Be6が白のビショップに挑みます。
白が5.Ng3で交換を避けると、コースは5...h5と指します。...h4でナイトを再び追い払う狙いがあるため、Lichessの対局の約半数で白は6.h4と応じ、6...Bg4は白がもうh3で追えないマスにビショップを展開します。
エクスチェンジ・バリエーションとパノフ・アタック
3.exd5 cxd5の後、白は半分開いたeファイルを、黒は半分開いたcファイルを持ちます。コースは静かなエクスチェンジ・バリエーションの4.Bd3と、パノフ・アタックの4.c4を扱います。
4.Bd3に対しては、4...Nc6 5.c3 Qc7で白のc1のビショップがf4に出るのを防ぎ、6.Ne2 Bg4でe2に圧力をかけながら展開します。白が7.f3でビショップを攻撃すれば、黒は7...Bd7と引き、8...e5でセンターを突破します。それでも白が7.Bf4と指すと、7...Qxf4 8.Nxf4 Bxd1 9.Kxd1で両者がクイーンとビショップを一つずつ交換します。e2のナイトがf4で取り返すと、g4のビショップから白のクイーンを遮るものがなくなるからです。白キングはキャスリングの権利を失います。
Lichessの対局で白の4手目として最も多いのは、10局に3局ほどの4.Nf3で、コースには含まれていません。2.Nf3 d5 3.exd5 cxd5 4.d4の手順でも同じ局面になります。黒の最も多い応手4...Nc6と4...Bg4は、コースの4.Bd3の変化と同じ駒を展開します。
パノフ・アタックの4.c4はd5を攻撃し、どちらかが孤立したdポーンを抱える局面に向かいます。コースは4...Nf6 5.Nc3 g6と応じます。5...e6や5...Nc6より珍しい選択で、白に数手のあいだd5のポーンを持たせておきます。6.cxd5 Bg7の後、黒はキャスリングし、クイーン側のナイトを...Nbd7と...Nb6で回して10...Nbxd5でポーンを取り返します。白には孤立したdポーンが残り、d5の黒ナイトがその前のマスをふさぎます。6.Qb3に対しても、コースは同じ道筋をたどり、再び10...Nbxd5でポーンを取り返します。
2手目と3手目のサイドライン
ファンタジー・バリエーションの3.f3は、ポーンでe4を支えます。コースは珍しい3...Qb6で応じ、d4とb2に圧力をかけます。白の最も多い応手4.Nc3の後は、4...dxe4 5.fxe4 e5で再びセンターを攻撃し、7.Qxd4 Qxd4でクイーンが交換されます。白が4.Nh3で展開すると、4...Bxh3 5.gxh3で白のhポーンがダブルになります。
2.c4はアクセラレーテッド・パノフにつながります。2...d5 3.exd5 cxd5 4.cxd5 Nf6の後、黒はナイトでd5のポーンを取り返します。5.Nc3 Nxd5ならすぐに取れます。5.Bb5+と5.Qa4+にはコースが5...Nbd7で合駒し、ビショップをフィアンケットしてから数手後にポーンを回収します。
ツー・ナイツ・アタックは2.Nf3 d5 3.Nc3で始まります。3...dxe4 4.Nxe4 Nf6の後、コースは5.Qe2を扱い、5...Nxe4 6.Qxe4 Nd7は、黒が...Nf6、...b5、...a5で白のクイーンとビショップを攻撃しながら手数を稼ぐ変化につながります。最も多い5手目の5.Nxf6+には、5...exf6でタルタコワーと同じfポーンのダブルになりますが、この変化はコースに含まれていません。同じくコース外の2.Nf3 d5 3.e5の後は、黒はふつう3...Bg4か3...Bf5でビショップを先に展開します。
白のタル・バリエーション
3.e5 Bf5 4.h4。4.h4は3...Bf5の後、Lichessの対局で14局に1局ほどしか現れず、白の成績は55%です。このポーンはh5と、その後のg4でビショップを良い斜線から追い出そうとするので、黒はビショップの逃げ場をどう作るかをすぐに決めなければなりません。
最も多い応手の4...h5はhポーンを止めますが、g5の支配を手放します。コースは5.Bd3 Bxd3 6.Qxd3でビショップを交換し、6...e6 7.Bg5の後、白のビショップは黒のhポーンがもう守れないg5を占めます。サンプルラインでは黒がクイーンサイドにキャスリングし、白は11.c4、15.c5、17.b4でクイーンサイドのポーンを攻撃の手段に変えます。...Qb6の形には、白はc4を指してルークをcファイルに置きます。黒のナイトが早すぎるタイミングでg6に行くと、黒キングがまだ中央にいるうちに14.e6がf7を突きます。
4...h6はビショップのためにh7を空けておき、コースは5.g4と応じます。5...Be4 6.f3 Bh7の後、白は7.e6でeポーンを差し出して黒キングの近くのラインを開き、8.exf7+ Kxf7の後、黒キングは前に引き出されます。5...Bd7には、白は6.h5と7.f4でキングサイドのスペースを広げます。
すぐに引く5...Bh7は、Lichessの対局で5.g4に対する黒の最も多い応手ですが、コースには含まれていません。同じ考え方が一手早く使えます。その局面で白の最も多い応手は6.e6で、その後の白の成績は約68%です。
3...c5に対して、コースはより人気のある4.c3ではなく4.Nf3を指し、黒の三つの主な応手を扱います。4...Nc6か4...Bg4の後、白は5.dxc5で取り、Be3とBd4、あるいはb4で余分なポーンを守ろうとします。4...cxd4 5.Qxd4 Nc6 6.Qf4の後は、クイーンがキングサイドで活発な位置にとどまり、戦いは鋭くなります。
両者によくあるミス
4.h4 e6? 5.g4の後、f5のビショップは逃げ場を失いかけています。黒にとって最も高くつくミスは、タル・バリエーションで起こります。黒の5人に1人ほどが4.h4に4...e6と応じます。自然な展開の手ですが、h7が自分のポーンでふさがったままになります。5.g4がビショップを攻撃し、5...Be4 6.f3の後、ビショップは逃げ場を失います。f5はg4のポーンが、d3はc2のポーンが利いており、6...Bg6はh7がふさがったままなので7.h5に捕まります。黒はたいていポーン一つと引き換えにビショップを手放すことになり、4...e6の後の白の成績は69%です。白のコースで練習するなら5.g4を確実に覚え、3...Bf5を使う黒のプレイヤーは4.h4に4...h5か4...h6で応じましょう。
黒の二つ目のミスはスマザードメイトで終わります。ツー・ナイツ・アタックでは、5.Qe2がeファイル上でe4のナイトの後ろにクイーンを並べます。黒の25人に1人ほどが5...Nbd7と応じ、6.Nd6#が決まります。ナイトが跳ぶとeファイルが開くため、e7のポーンはピンされてナイトを取れず、黒自身の駒がキングの逃げ場をすべてふさいでいます。メインの手順でも4...Nd7 5.Qe2 Ngf6 6.Nd6#で同じメイトが現れます。コースの5...Nxe4は、ナイトがd6に届く前に交換してしまいます。
白側については、黒のコースにツー・ナイツ・アタックで習慣的なキャスリングをとがめる変化があります。9.Ne5 b5 10.Bb3 Qc7 11.d4 a5の後、黒は...a4を狙い、コースのメインラインは12.a4で応じてポーンを止め、ビショップのためにa2を空けます。白が先に12.O-Oとキャスリングすると、12...a4がビショップを閉じ込めます。a2のポーンが退路をふさぎ、b5のポーンがc4に、c6とe6のポーンがd5に利いています。白はせいぜいポーン一つと引き換えにビショップを失います。
何から練習するか
黒なら、黒向けカロ・カン・ディフェンスのコースをアドバンスの変化から始めましょう。3.e5が白の3手目として最も多いからです。9...Nf5が出てくる落ち着いたメインラインと4.dxc5への二つの対応を覚え、4.c3 Nc6 5.Nf3 Bg4がたいてい落ち着いた変化に戻ることも押さえておきましょう。3.exd5が2番目に多い3手目なので、次はエクスチェンジとパノフです。その後、タルタコワーのサンプルライン、そのクイーンサイド・キャスリング版、5.Ng3 h5に進みます。ファンタジー、アクセラレーテッド・パノフ、ツー・ナイツは最後に回して構いませんが、スマザードメイトを食らわないよう、5.Qe2に対する5...Nxe4は早めに覚えておきましょう。
白なら、白向けカロ・カン・ディフェンスのコースを4...h5のサンプルラインから始め、続いて...Qb6の形と14.e6のブレイクを覚えましょう。次に4...h6の変化を加え、すぐに引く5...Bh7に対する6.e6も一緒に覚えて、4...e6に5.g4と指すのを反射的にできるようにします。最後に4.Nf3の後の3...c5の変化で仕上げましょう。